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祖父は数年寝たきりになった後、亡くなったのだが、
亡くなる数年前の春に「桜が見たい」と言い、
我が家(実家)から100mほどの、区がにわかに桜を植えた
行き止まりの路地に椅子を持っていき、祖父を座らせた。

祖父は何も話さず、桜がハラハラ散るさまを30分ほど見ていただろうか。
もういい、という顔をしたので手を引いて家に帰ったが、
あの時祖父は何を思って桜を見ていたのだろうか。

僕は桜には何の感慨も持たないようにしているが、
毎年あのハラハラ散るさまを見るたびに祖父を思い出す。

明治の生まれで、ごく自然に武士のような雰囲気を持った人だったけれど、
口数が少なく書き物も残さなかったので、
祖父が何を考えて生きていたのかわからない。

父にはそういう風韻はなかったけれど、なんとなく祖父を
密かに尊敬している気配があり、子供の頃の僕は
二人の距離をおいた微妙な空気感が好きだった。

僕は粗忽でおっちょこちょいだったけれど、祖父と父の
「お前のことはわかっているんだぞ」というような視線に甘えて、
より自由に振る舞っていた気がする。

二人であの世で桜などを眺めていてほしいが、
案外仲良く桜の話でもしている気がする。

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春が近づくと、洗面台に落ちる毛の量が増える。
「春秋は抜け毛が多くなるね」などと言うと、
外野は「ハゲるんじゃないの?」というが、それは違う。

僕は秋に夏毛が抜け、少し白い冬毛に生え変わり、
春に冬毛が抜けて黒い夏毛に生え変わる。
ライチョウと呼んでほしい。

ここ数年、お尻にある油脂線から出る脂肪を
クチバシで髪に塗って、防水性を高め水分の蒸発を防ぎ、
髪が痛むのを防いでいる。
白鳥と呼んでほしい。

仕事をしていて肩こりを感じると、大きく腕を上げて
軽く上下させてみる。
手首と肘を柔らかく使い、手のひらに感じる空気を
下に押し下げるようにすると、なんとなく体が持ち上がる。
来年あたり、ワシのように飛ぶかもしれない。

Jesus Christ…。

最近、モミアゲのあたりだけに白髪が増えた。
春になったら黒くなると面白いのに、と話していたが
冬毛じゃないんだから、と言われ、ライチョウが
うらやましくなった。

クセ毛対応シャンプーのKURというのを使ったら、
かなり良くなったのだが、リンスを買い忘れ、
リンス代わりに椿油を髪に塗っている。
かなり高価なので、油脂線があればなぁ、と思う。

僕が飛べるようになっても、飛ばないと思う。
なぜならば、僕は高所恐怖症だから。

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いつも乗る電車より1本早い電車に乗り、
騒音対策のために大きなヘッドホンを頭にセットし、
「今日はDave Wecklか、それとも山本潤子さんか」と
聴く音楽を選んでいると、大声で話す男性2人が乗ってきた。

「あそこのドラ焼き美味いんだってな、ほら、あの…」
「どこの?」
「赤坂とか銀座に店がある…」
「だから、どこの?」
「やらと、だよ」
「しらないなぁ」
「暖簾に『やらと』って書いてあるからわかるよ」
「いや、知らんなぁ」

それ「とらや」でしょうが、と突っ込みたかったが、
隣の若い女性が「クスッ」と笑っていた。

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音や声に無頓着な我が国一般に比べ、
僕は音や声に多少神経質かもしれない。

公共の場所に流れる音声とテレビの音には
「うるさいな」と思うし、商店の店員さんの甲高くて
舌足らずの話し方には「アニメの声優か」と思う。

声優といえば、嫌いなはずのテレビCMの、
「タカギ」という女性の声が好きだ。
蛇口一体方浄水器のCMなのだが、この声を聞くと
「お」と言ってしまう。
以前流れていた東京サマーランドのCMの声も
けっこうステキだった。

やや低めで落ち着いた語り口というのが好きで、
日本の女優さんだと朝加真由美さんの声が好きだ。
朝加さんの顔も好みかもしれない。

低い女性の声ならいいかというと、そうでもないらしい。
宝塚の男役の方の声を魅力的と思わないのがその証拠で、
あれは意識的に低い声を絞り出している感じがするからだろう。

女性アナウンサーの声が魅力的じゃないのは、
声が高い、ということがあるかもしれない。
真偽は不明だが、アナウンサーは「はっきりハキハキと話しなさい」と
繰り返し教育される、と聞いたことがある。
ハキハキ話す、ということは高い声を出すことじゃないんだが、
ハキハキ話そうとすると声が高くなるんだろう。

声優さんにまったく興味がないから、アイドル的な人気を誇る
声優さんがいると聞くが、その存在をまったく知らない。
知っているのは、サザエさんの声優さんたちだけで、
特にタラちゃんは僕のお気に入り。
心なしかタラちゃんっぽい声のロコ嬢に「ステキですー」などと
言ってほしいような、言ってほしくないような。

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近頃は人情話や「お父さんありがとう」と言って泣く花嫁を
テレビで見た時にちょっと涙がにじむ。
やはり歳なんだろうか。

泣くといえば、はるか20年以上も前に、日比谷野音がどこかで
韓国のサムルノリ(4種の打楽器で演奏される音楽)と、
たくさんの太鼓だけで地響きするような韓国の音楽を聴き、
最初は「なにかな?」という感じだったのが、徐々に心が熱くなって、
音楽が白熱してきてからは、思いもよらず涙が滝のようにあふれてきて
泣けて泣けて仕方がなかった。
どうして泣いたかわからないが、あの音楽は心のどこかに響くようなのだ。

シアトル滞在中に、ルームメイトから「教会に行かない?」と誘われ、
気軽に行ってみたら、そこはどちらかというと黒人たちの多い教会で
何を言っているかよくわからない牧師さんの説教があり、
説教が終わって、力強いゴスペルの全員斉唱を聞いているうちに、
体が熱くなってきて、両隣の人と手をつないで「あー!」などと
腹の底から声を出しているうちに、やはり滝のように涙が出てきて
「あ、なんで僕は泣いているんだろ」と思いつつ、号泣していた。

帰宅して、優しいインカの音楽を聴いていたら泣けてきて、
母親からの手紙を読んでは泣き、ネコのスキがあまりに可愛くて泣き、
なんだかこの日は朝から泣きどおしだった気がする。

冒頭に書いたように、人情話に弱くなったのは歳のせいだが、
年齢と共に心が汚れてくるのか、素朴なことでは感動しなくなり
夕陽がきれいだとかきれいな音だなどということに
泣くほど素直に反応しなくなっている気がする。
ただし、最近は、シェラックで塗装した木片のシブい輝きに
泣きはしないが、なんとなく心の底が「グッ」と動くような
不思議な感覚を味わう。

なんだろう、この感覚は。

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