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日頃セカセカ急ぎ足の僕は、雪が降った翌朝は、一歩一歩足裏全面をきっちり地面にグリップさせて駅までゆっくりゆっくり歩いてゆく。それでいつもの電車に乗り遅れてもかまわない。

ここに二人の女性が登場する。名前はもちろん知らないが、一人は髪の長い中年の若作りの女性、仮にマンセルとしておく。もう一人は髪の短い若い女性で、仮にセナとしておく。この二人は毎朝デッドヒートを繰り返していて、僕はひそかに「朝のグランプリ」と呼んでいる。

僕の住む山をエッチラオッチラ下りて行くと麓で駅への大通りに当たるが、マンセルは僕の住む山の麓あたりから出現し、セナはそこより駅から離れた場所から駅目指して歩いていく。ちょうど山の麓あたりでマンセルとセナは合流、というより競争が開始される。
おおむねセナが先行しているのだが、小走りにマンセルが追いつき、そして追い抜くが、セナも負けじと小走りになって、駅まで抜きつ抜かれつしていき、駅前の踏切が見えるあたりでは小走りじゃなく「大走り」になって、僕の視界からマンセルとセナは消えてゆく。
僕は「おーっと、荒法師マンセル、シケインでセナを捉えたーっ!」などと頭の中で古館伊知郎風にアナウンスしているわけですね。

「今朝はどうかな?」と思いつつ駅までの大通りに出ると、まずセナの姿が見えた。次いで、ゆっくりゆっくり歩く僕を追い抜きつつマンセルが出現。この人は右に頭を傾けて(上半身が右に傾いている)長い髪を肩のラインから大きくはみ出させる妙なスタイルで歩いていくのだが、セナの姿を確認した(らしい)ところで、足元は半分凍った路面なのに猛然と速度を上げ、セナに迫った途端、まずマンセルがズルッとなった。いつもはマンセルを振り向いたりしないセナがその「ズルッ」を聞いて思わず後ろを振り向いて同じようにズルッ。その機会を捉えて体制を立て直したマンセルがセナを抜くが、互いに焦ってズルッを繰り返す。
結局、安定したグリップ走法の僕は易々彼女たちを追い抜いて、駅までトップでゴールで、グランプリ初優勝。
頭の中で「おーっと、中島悟・納豆走法の勝利ーっ!」とアナウンスが鳴り響いた。

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